言語学入門: 社会言語学
「ノート」タグが付いているものはただのノートである.まあ興味があれば見ればいいし, なければ見なければいい. 本格的に勉強したいならうちの学部入れ. 誤りを見つけたら指摘すること. 内容は授業及び教材の出典が主である. 注意しなければならないのは, 侮蔑的な言葉はほめことばであることである. よく茨城とかIT業界とか英語とかにそういう言葉を浴びせているのはそういうことである.
社会言語学は教授の専門らしい. しかしそれほど興奮した様子はなかった. 文系の学問における喜びは, 問題を解けた時の一瞬の大きな達成感ではなく, 知ることによる好奇心の充足にあると思う.
#8. 社会言語学: 英語の社会的多様性 ##8.1 社会言語学 (sociolinguistics) とは Googleという言葉に加えてOEDも動詞になるべきだ. この大学では全学でOEDを使えるし, VPNによって外からでも使うことができる. OEDに契約するよりVPNを利用した方が安く済むのはまずいと思うのだが…
##8.2 社会言語学ですること 社会学, 民俗学, 人類学とかぶる.
##8.3 言語学と社会的変数の相互関係 ###8.3.1 男女の会話の仕方 ぶっちゃけ当てはまらないことも多いけどね. ここで述べることは相対的なものである. それと, 当然個人差はある.
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男は他人の話を中断しやすい
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語数の合計, ターンの数の両方の点において, 男は女より多くを話す.
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女は間接的な表現など丁寧な形を使う傾向にある.
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女は付加疑問文やHRT (High Rising Terminal, 語尾が昂く挙がる) をより頻繁に使う.
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女は感情的な形容詞をよく使う.
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女は会話を終わせることが少ない
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女は沈黙から会話を修復しやすい
などなどである. これを読んでいるうちに反例が多く思い浮かぶのは当然である. でなければ貴様はステレオタイプに溺れている.
###8.3.2 ‘Conservative RP’と’advanced RP’ (Trugill & Hannah, 2008, p. 17) Advancedというとなんかかっこいいが, 要するに若者の発音である. 日本語はそこまで違わない気がするのだが…どうだろう.
###8.3.3 Cultivated and Broad Australian English (Mitchell & Delbridge, 1965)
###8.3.4 語彙の多様性 Registers: 医療や法学といった特定の話題や活動に関連している語彙 (時には他の文法的特徴においても同様のことが言える).
##8.4 非標準英語の例 ###8.4.1 AA(V)E [African American (Vernacular) English] 三単元での-sの欠如, 連結子の欠如, 関係詞節などにおける疑問転置, thereの意味で使われるitなどがある. 注意しなければならないのは, これを使っているのは英語を母語とする人たちということである. 私のような人間には間違った英語のようにしか思えないが, それでも間違いではない. 使用者にはこれらにアイデンティティを持っている人が多くいる.
###8.4.2 イギリスにおける非標準英語の多様性 日本語と違って, 広く使われている前置詞が違う使われ方をするというのがもっぱら方言らしい. 日本語の方言では, 全く違う, 知らない言葉が使われることが多くあるから, これも言語の1つの特徴だろう.
###8.4.3 RPとイギリスの地域的な訛り
###8.4.5 言語態度 (Language attitudes): Dennis Preston’s empirical study (1989) どこの人たちが正しい英語を話すかという事を聞いて統計を調べた. 実際には, 「正しい英語」というのは存在しない.